映画・グッドモーニングス

最近はめっきり特ヲタなワタクシ。仮面ライダーカブトにどっぷりハマり、その中の役者さんの徳山秀典氏大プッシュ中でございます。
その徳山氏が映画に出るというので、見に行ってきました。
http://goodmornings.biz/
http://blog.goodmornings.biz/
以下、ネタバレ含みます。


ちうわけで映画「グッドモーニングス」。会場に着くと、「路上で柔道はマジヤバイ」つか温泉まんじゅうさんつか植木さんが和服で出迎えてくれました。和むー。
上映時間は40分。短いにゃー。なんだろな、セットが密室で動かないので、これ、演劇にしてもイケると思った。セリフでどんどん話が進んでゆくのとか、カメラが引きで定点が多いことから、なんとなく、お芝居を見ている感じだった。
お話は、それぞれの絶望を抱えて集団自殺すべく集まった5人が、お互いのことを語り合ううち奇妙な連帯感が生まれてくる、という感じ。一番深く絶望しているのは、主催の自転車男さんであり、彼の絶望ははっきりと描かれるのだけど、他の4人の絶望ももうちょっと掘り下げて見てみたかったかなあ。自転車男さんの、ふと油断した隙に妻子を失う、というのは、とても判りやすい絶望なんだけど、ニシケンのね、「死ぬ理由もないけど、生きている理由もない」という空虚さも、なかなかに掘り下げ甲斐のある素材なような。ピータンこと徳山氏は、ちょっとええかっこしいの臆病な青年。細かくキョドる仕草がかわいかったです。
みんな、たいした理由で死にに来てないんだよね。いい年のおっさんである諭吉氏は確かに大変そうだが、ピータンにしてもフラれただけとか、温泉まんじゅうにしても確かに代議士家族のみそっかすは居心地悪かろうが、親身に心配してくれるばあやがいたり。その辺が現代的、なのか? 0か100か思考。ただこー、そういう0/100思考に縛られてしまうのは、そうなるだけの環境というのがそれぞれにきっとあって、その辺をもちっと掘り下げて見てみたかったちうか。フラれたとか、受験に失敗したとか、他人に語れるような理由は氷山の一角なんだ、きっと。理由はもっと奥にあって、それがニシケンの「死ぬ理由もないけど、生きてる理由もないから、ノリで死んでもいいとか思っちゃう」という病理であり、もしかすると、あの5人共通の想いなのかもしんない。
そして彼らは「ノリで」集団自殺をやめる(笑)心はまだどこか空っぽなんだけど、「死にたい」という想いを誰かと共有したことで、少し生き延びる。実際に練炭をたいて死の恐怖を味わったわけでもなく、不思議に暖かい空気になった現場を「部外者」に破られて、そこから走り出て。
多分。彼らは死にたかったわけじゃないんだ。どう生きていいか判らなくなっちゃったんだ。なんとなく生きてきちゃったから、なんとなく死んでるのも同然なんだ。
でも、彼らはその気持ちを分け合って。ちょっとだけ暖かくなって、生きてみることにした。まだきっと、「どう生きるか」は判らないんだろうけど。おんなじ気持ちの仲間がいることが、判ったから。

40分短いよー。うーん、舞台で見たい。どーすかスタッフさん。

上映後は、植木さんと自転車男・渡来さん、そしてニシケン・岩田さんが出てきてご挨拶。なんだよー、渡来さん、イケメン嫉妬党とか言ってるけど素だとイケメンじゃん。渋くてかっこよかったス。