鴻上漬け

先日の日記で取り上げた本はそのとき注文したので、今日まとめて届きました。ちょろっと感想でも書くか。

マイフェイバリットと書いた「恋愛王」と似たような形式で進みます。1冊、タイトルがアレなので中身には詳しく触れませんが(w 面白かったです。すげ―面白かったです。「名セリフ!」の方はコーカミさんの同業他者への目線が知れて面白かったし、「ラブアンドセックス」はやっぱりいろいろうろこが落ちました。ただ、この形式の鴻上さんの本にはひとつ欠点があるような気もするのです。「ラブアンドセックス」の中の喜国雅彦/月光の囁きの紹介文を読みつつうっかり涙が滲んでしまいましたが、触発されて原典に当たったとき、私はこの紹介文を読んだときほどの衝撃を感じられるだろうかという疑問が残るのです。月光の囁きは多分、趣味の範疇なので大丈夫な気がします。でも、他の、普段手を出さないであろうジャンルのものについては、なんかうまくいかない気がするのです。理由はただひとつ。私は鴻上さんじゃないからです(笑)
何をそんな当たり前なことを、と思うかもしれませんが、この手の本の中で鴻上さんが語る原典の素晴らしさは、少なくとも鴻上さんなみにいろいろやった人じゃないと到達できない視点だと思うです。そこまで行ってない私ら読者は、鴻上さんの鋭い切り口で搾り出された甘いエッセンスを先に味わってしまいます。んで、原典に当たったとき、たとえば文体とか、役者の顔が気に入らないとかいう些細なところで躓いて、鴻上さんの語った本質までたどり着かないまま不完全燃焼で作品を見終わってしまうです。それはとてももったいないと思います。つまるところ、作品の紹介文としては親切すぎるんじゃないかと。(ぉぃ 多分、浜村淳より親切です。ラストまでのあらすじを読むよりもずーっと親切ですよ。 
もちろん、鴻上さんの語ってくれたエッセンスは血となり肉となり読んだ私の体に残るんですけども。それは私をより鴻上さんにハメるだけで、原典の素晴らしさからは遠のいてしまうこともあるです。なんかもうこれはすごくもったいなくて、なんとか原典の素晴らしさを感じたいとあがくわけですが。これがなかなか(笑)
そんなわけで、これから先を生きていくためのテキストとしては大絶賛なのですが、作品紹介本としてはどうかなーとか思ったりします。大きな声では言えませんが、「櫻の園」の映画を見ようとして3回くらい寝てしまった経験が(汗)どうにも修行が足りません。修行が足りちゃったら鴻上さんは要らなくなるんだろうとも思いつつ。

こちら2冊は過去に出ているものの抜粋ですので、80%までは読んでいます。なのでまだ、読んだことのない部分を拾い読みの段階ですが。鴻上さんが第三舞台休止の動機や劇団の3つの形態について語る文章を読んで、これまた鴻上さんの「執着してないと思っている人ほど執着している」という言葉を思い出しました。鴻上さんが「次の段階」と称する形態は、実はジャニーズ事務所に似ている気がします。自分はうっかり鴻上さんに感化されて嫉妬と束縛以外の執着の仕方を覚えてしまったので、鴻上さんの語る3つ目の形態は新しい支配の形なんじゃないかとちょっと思うです。鴻上さんは、この世界に「第三舞台」という遺伝子を遺したいのかな、なんてなー。
なんか鴻上さんの著作を読み込んでない人にはひどく不親切な文章になりましたが。真相は、この本買って確認してください(笑)
ちょびっとこのブログらしい話をすると、鴻上さんはフェンスのお三方と同い年です。(それだけかよ)