コーカミさんと私。

SPA!で連載中の「ドンキホーテのピアス」がそろそろ本になる頃だなあと思い、アマゾンで鴻上尚史さんの著作を検索してました。そしたら、ノーチェックだった2004年の間に4冊も出てたよ。。不覚。
真実の言葉はいつも短い (知恵の森文庫)名セリフ!鴻上尚史のごあいさつ―1981‐2004ラブ アンド セックス
鴻上さんとの出会いは自分が中学生のころのことなので、そこから話すと長くなるのでやめますが、とにかく私の心の師匠です。著作のタイトルを見ただけでどきどきするですよ。「楽園を追われるときに必要なもの」「言葉はいつも想いに足りない」そしてまだ読んでませんが、「真実の言葉はいつも短い」。鴻上さんはいつも、もやもやっとした終わりのない悩みにさくっと鋭いキャッチフレーズをくれます。「真実は存在しない。ただ解釈だけが存在する」とか、ね。鴻上さんの著作を読むたび、目からうろこがぼろぼろ剥がれる気がします。そいで、ちょっとだけ自分が強くなった気がするです。どれもオススメですが、マイフェイバリットは「恋愛王 (角川文庫)」。なんていうのかな、恋愛に関するどうしようもない現実と、それに立ち向かうちょっとしたヒントが書いてある、と思うです。各種映画から引っ張ってきた台詞とその解釈、という体裁の本なので、映画選びのテキストにもなる……かな。
さてさて、鴻上さんは素敵なエッセイをたくさん出していますが、そもそもは劇団主催者であり脚本・演出家です。彼の芝居は時間が許す限り見に行っていますが、一番好きなのは「トランス」かなあ。ざっと説明すると、一人の男と一人の女と一人のオカマが織り成す愛憎劇ってことになるんかいな。こう書いちゃうとミもフタもないですが、もひとつ説明すると、愛することが怖くて仕方がない人と、愛し方が判らない人と、愛しすぎて自分を見失う人のお話です。他の鴻上作品同様、口当たりは軽く。でも、見終わった後、「それでも前を向くこと」とはどういうことかを教えてくれますです。戯曲も出版されてますし、サードステージのオフィシャルサイトでDVDの通販もやっているので、気になった方はぜひ。自分なんかは何回見ても泣けます。それでやっぱり少しだけ、気が軽くなります。
サードステージ

っと、「真実の言葉はいつも短い (知恵の森文庫)」は鴻上さんの過去のエッセイから時事ネタじゃないものを抜粋した自選集なのか。初めて読むなら手ごろなのかな。文庫だし。