パンゲア

FENCE OF DEFENSE XIII 「パンゲア
全12曲 ¥3000
2005/03/21
脱毛に関する知識 – 脱毛する際のアドバイス
2005/04/27 店頭発売開始?
HMV

いやー、なんていうか。ファンになってから初めてのニューアルバム。嬉しいです。ただひたすら嬉しいです。背中ぞくぞくする。んで、ちょっと泣きそう(笑)出来? かっこいいに決まってんじゃん! 
mestoが先行シングルなのがよく判る音、ですわね。最初の1音で毛穴開きました。会報インタビュでは「バンドの生音をメインに」などと言うてましたが、確かにあんましシンセ使ってないや。デジタルとアナログのガチバトルがフェンスだと思ってる節が私にはあるんですが、こういうソリッドな感じもいいなあ。ガチなバトルはどこへ向かったかというと、ドラムVSギターVSベースVS歌(笑)実際はいろいろ違うんでしょうけど、音の力関係はイーブンな感じで。バトル言うてますけど、ケンカじゃないすよ? でも、溶け合うってんでもないな。シルクスクリーンで色を重ねていく感じに近いんだろうか。それぞれの音が鳴るべき場所できっちり自己主張しているっつか。ひとつも遠慮してないのに全部余さず聞こえてくる。かっこいいなあ。過去の作品を聞いていると、たまにアナログ隊が入ってくるとデジタルが引っ込む感じがしたり、XXXなんかはあきらかに足し算引き算してる印象があったんですが、PTE以降全部どばーっと出るようになって。復活後2枚目のシングルまではぎちぎち戦ってたんですけど、mesto以降落ち着いて、今がある感じです。
そんなわけで全曲電波レビュー。

  1. 疾風迅雷
    • うひゃって感じで毛穴開きました。きたきたきた(笑)なんでしょね、中世ヨーロッパの革命? 見えるのははためいてる赤い旗と、それに先導される民衆。踏み鳴らされる靴の音と、進軍の太鼓。大砲を乗せた荷車の車輪が軋む。鬨の声をあげて、服装もばらばらの民衆が固まりになって進んでいく、と。「今日もまた日が昇る・・・」と歌っているとこでは、やっぱり朝日が見えます。地平線というよりは、建物の向こうから光が射してくる感じなんですけど。
  2. ホクチュウソウ
    • 一転して街の喧騒なんだよな。夜の新宿歌舞伎町とか、そんな感じ。眠らない街。ネオンが瞬き、ひっきりなしに通り過ぎるタクシーのヘッドライトが眩しい。ところどころにあるコンビニの明かりだけはこうこうと白く。ぽっかりそこだけ穴が空いたみたい。怪しげな色彩を放つネオンの中にあって、それは異世界への入り口にも見える。というか、非日常を楽しませようと揺らめく周囲の店の明かりの中で、いつもと変わらない日常がそこで寒々しく光ってるっていうか。街の酔いも冷めるよね、そんなの。「荒巻鮭」にはびっくりしました(笑)アラマキジャケすよ? そんなフレーズもかっこよく歌いこなす西村さんステキ。塩鮭はうまいですが、なんでもなく吊るしてある限りは鮭の死骸だもんな。
  3. さそり
    • また外国。南米かなあ。常夏なのでビールがうまい、はずなんだけど、冷えてない(笑)氷入ってそう。でも、運んできたねーちゃんは美人だ。プロポーションは完璧。琥珀色の肌、黒い髪、赤い唇。パブのテラスから外を眺めると、黄色い太陽と、赤茶けた大地が見えて。湿度高いから砂埃は立たないんだけど、地面はかげろうでゆらゆらしてる。何も考えないでぼんやりと。帰りたくないなあ、なんて。だってねーちゃん美人だし。ビールがまずいのだけは勘弁だけど、昼間っからテキーラじゃないだろう。なんてな。
  4. 星を継ぐもの
    • これも南米? ジャングル。苔むしたピラミッドの上に星が瞬く。川の中を小船が進む。船の上でたたずんでいる青年の目は、星のように澄んできらきらと輝いている。進む先に何があるのかは判らないけれど、行けば必ず何かあるのだ。
      大きな曲だなあと思います。なんでしょね、夜の空気があったかい感じ。鬱蒼と茂った植物のおかげで酸素も濃い感じ(笑)気持ちよいです。
  5. ジー
    • これも夜の曲かなあ。月がとっても明るくて、でも夜明け前のとっぷり深い夜。今ならAM3:30くらいか。砂浜。寄せては返す波。打ち上げられた貝殻とか、ちょろちょろ遊んでる蟹とか。誰かが置き忘れた空き缶とか。「デジール」て欲望って意味なのね。波打ち際で足を海に浸すと波が足の周りの砂をさらっていきますが、そのときの砂がねっとり足にまとわりつく感じとかを思い出します。それにしても温かいイメージの曲多いなあ。どれもなんだか、生暖かい風を感じる。春だねえ。。
  6. 夜のカナリヤ
    • インストですねい。ええと、大きな窓のそばに吊り下げられた鳥かご。やっぱり月明かりかあ。その月明かりに照らされて、窓枠と鳥かごは部屋にくっきりと影を落とす。時折空をよぎる雲が、その絵にわずかな変化を与えるけれど。基本的には静かで。カナリヤのさえずる小さな声が、その静けさを深くする。とかいいつつ、カナリヤの鳴き声を思い出せないのでうっかりインコになってしまいますが。(ぉぃ 優しい、綺麗な曲だなあ。
  7. 影絵
    • これはもうなんつーか、下手にいじるより歌詞まんまなんだよな。舞い散る桜の花びらとか。西村さんの声が、やさしい、やさしい声で。「憶いし君」は桜のようにはかないんだろう、な。触れるのもためらわれるほどに。
  8. mesto
    • シングルレビューでやったので割愛でいいかしら(笑)大好きです。ただこう、全体に春の雰囲気の曲に混じってぱっきり冬の音ですね。空気が澄んでて冷たい。
  9. 無常24/7
    • イナタイ、でいいのかしら。一瞬アンルイス? とか思いました。そういやアンルイスの曲に「ああ無常」ってあったな(笑)イメージは鉄火なねーちゃんだよなあ。風景よりは、そういう男前なおねーさまがアタマに浮かびます。はすっぱな振りして実は一本気な。普段は普通に色っぽいんだけど、祭と聞くと血が騒いで真っ先に神輿かついでそうです。
  10. triangle
    • これもシングルレビューでやったので割愛で。リアルタイムでアルバムが発売されるのが初めてなので今まで判らなかったんですが、意外と作った季節って音に出るもんなんですね。もしかすると、作ってから発売まで時間が空いてないから感じることなのかもしれないけど。これもやっぱりきりりと冬の音だなあ。
  11. 雨のち晴れ模様
    • 菜の花。どこか懐かしい香りがします。ところどころ水溜りの残る道を自転車をこいで。ぽかぽかあったかい曲ですねい。雨上がりの、水分を含んだ緑や土の匂いがする。なんていうか、the 春な感じ。
  12. 暁に捧ぐ
    • 暁ってくらいだから空は赤いな。ビルの窓に反射する綺麗な朝焼け。都会のカウボーイというフレーズが浮かんだものの、文字にするとダサいわ(笑)場所は東京でもいいんだけど、せっかくなのでニューヨークでひとつ。単身飛び出してきたものの、日々の雑事に流されて本当の目的を見失いがちだったけど。改めて決意を思い出す、と。

以上、イメージレビューをやってはみたんですが。どれもこれも歌詞の世界から出ていないな。極力言葉を聞かないようにしてやってはいるんですけど、今回、詞と曲のシンクロ率が凄いと思います。それだけ出来上がった曲のイメージが明確だったのかしら。そんな意味でも自信作? ほんとにパズルのピースがはまるべきところにきちっとはまってるって感じだなあ。それがひどく気持ちいいです。自分のレビューは電波すぎて参考にならないかもしれませんが、もう、ものすげーかっこいいのでみんな聴けよ? 4月の店頭発売が本当だといいな。申し訳ないけど、通販は微妙に薦めにく(げほげほげほ)期せずして2枚買うことになりました(笑)まあその、頑張れ。超頑張れ。店頭で売ってたらまた買うから。